うつ病 Clinical Depression
有病率は4.3%で世界的に3.5億人の罹患者がいる普遍的な病気です。
「うつ病」は脳内の神経の伝達がうまくいかなくなるなど、脳の機能異常から起こる病気です。
気分が憂うつになる、不安や焦りを常に感じる、自分を責めてしまう、などといった精神的な症状から睡眠障害、食欲不振など様々な身体症状も現れます。
当院においては認知行動療法及び抗うつ薬に治療を行い、早期の治療を目指していきます。
不眠症 Insomnia
睡眠障害の一種で、「寝つけない」「夜中によく目が覚める」「眠りが浅い」などの夜間の睡眠トラブルのために、昼間の日常生活に支障をきたす状態が続くことです。
現在、日本成人の5人に1人は何らかの眠りに関する問題を抱えていると言われています。
ADHD(注意欠陥・多動性障害)
ADHD(注意欠陥・多動性障害)は注意欠陥(集中力が続かない)、多動性(じっとできない)、衝動性(衝動的に考えずに行動してしまう)の3つの症状がみられる神経発達障害もしくは行動障害のことです。
年齢や発達に不釣り合いな行動が、仕事や学業、日常の生活にに支障をきたすことがあります。発症率は子どもの5%、成人の2.5%にADHDが生じることが報告されています。以前は男性(男の子)に多いと考えられていましたが、現在は男女比は同じ程度と言われています。
一般的に6歳前後より症状が現れ、遺伝的背景も強く感情障害やアルコール依存などの症状とも併発することがあります。個性の側面も強く診断の難しい病気ではあります。
当院では、専門の臨床心理士による心理検査を行った上で、環境調整や、カウンセリングを行い、必要があればストラテラなどによる治療を行っていきます。
社交不安障害 SAD Social Anxiety Disorde
大勢の人の前で話をしたり、注目を浴びる状況に置かれた時に、普通の人より強く不安や緊張を感じて、震えや動悸、発汗などが出たり、苦痛と感じそれから逃げてしまう、避けてしまう状態のことをいいます。
治療は、心理療法では認知行動療法が、薬物療法では選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)を行っていきます。
パニック障害 Panic disorder
パニック障害は有病率10%程度で突然理由もなく、動悸や過呼吸、めまい、発汗、手足の震え、痺れといったパニック発作を起こし、そのために生活に支障が出ている状態のことをいいます。
治療として認知行動療法や抗うつ薬が有効です。
強迫性障害 OCD Obsessive–compulsive disorder
不安障害の一種で、自分の意思に反して不合理な考えが繰り返し頭の中に浮かび、この不安を避けるために何度も同じ行動を繰り返し、自分では行動を止められなくなる状態のことをいいます。
症状としては、抑えようとしても抑えられない強迫観念と、それによる不安を打ち消すために無意味な行為を繰り返す強迫行為があります。
治療は主に心理療法によって行います、認知行動療法(CBT)や曝露反応妨害法(ERP)などが用いられ、時には薬物療法(SSRI)などを行っていきます。
統合失調症 SZ Schizophrenia
統合失調症は有病率1%程度の疾患で、治療可能な疾患です。
統合失調症の症状には大きく分けて、陽性症状と陰性症状のカテゴリーからなります。
陽性症状として、実際には見えないものが見えるように感じる(幻覚症状)、聞こえていないことが聞こえる(幻聴症状)、誰かに狙われている、監視されていると等明らかに間違っていることを確信する(妄想)。
陰性症状として、喜怒哀楽などの感情が鈍くなる(感情の平板化)、会話をしていてもうまく自分の言葉が伝えられなくなり無口になったり理解できなくなる(思考の貧困化)、何かを行おうとする意欲ややる気がわかなくなる(意欲の欠如)、自分の世界に閉じこもるようになる(自閉)などがあります。
認知症 Dementia
認知症は年齢を重ねるにしたがって、脳の神経細胞が減少し「もの忘れ」が増えてきます。
大きく分けて徐々に脳が萎縮し認知機能が低下していくアルツハイマー型認知症、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害後に発症する脳血管性認知症、幻覚が主な症状として現れていくレビー小体型認知症に分けられます。
アルツハイマー型認知症は、短期記憶障害をはじめとする認知機能障害により日常生活や社会生活に支障をきたし、緩徐な進行と、局所神経症候を伴わない事が病態の基本となります。
レビー小体型認知症は、認知機能低下とともに幻覚、妄想が主な症状として出現します。